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宇宙は白い部屋。

鬱とはやはり消化と嘔吐と性器のことなのかと思う。死んだ小鳥。死の上を踏む感覚はぐにゃり。

僕が何なのか、ただ、恋愛ではない映画を。友人でも恋人でも家族でもない、簡単に形容されたくない、ロックスターと映画のポスターだらけの部屋、中古の車、寂れた町。

小さなものひとつひとつを愛するという療法。何も特別じゃないことを知っていて、それでも特別であることを知っている。愛と鬱の、僅かな隙間の安定を、せめて丁重に過ごす。

本当にわたしがこの部屋を去るのか、容受の染みついた壁。思い出だけ愛して生きるなんてしない、15の頃の息詰まりを恥ずかしがらない。過ぎてから愛していたと気づきたい。過去のわたしが、美化するなと叫んでいる。本能だけが。死より苦しい生活を選ぶ。

沈む船、焼身自殺、箱を抱いて泣く人の背中。モノの顔とブリキの箱。ただ、世界を漂っている、支えもなく。羊は迷う。コスモポリタニズム。

蝶を飲み込む。表すために踊る。わたしの徒労、見世物ではない言葉。気まぐれで愛する。君Aと君B。

風に揺れるビニール、温い地下。わたしが液状化して染みになったシーツ。横たわった上から薄く切られていく。誰よりも、正気であるからいつも少し狂っている。それを言うために踊っている。

待ち侘びていた日が、あっさりと過ぎ、あの時、永遠に繰り返していたいと嘆いていた。特別だった場所がいつも通りに戻ってしまうこと。傘から透けた色が地面を照らして綺麗だった。願った景色は全て見た。

鼬、虫、プールサイド、何の臭いもしない死。髪を切って、僕を明るくしてあげる。電気のつかない部屋。立ち戻る怠惰。錨はもうなくなった。

いつか死ぬから美しい、なんて悔しい。死にたくないと思いたいから人を愛したい。

君の死ぬ午後。僕もいつか死ぬ。

死んだ小鳥の写真が、ずっと左上に残っている。未整理のアルバム。不幸をこの呪いのせいにしようとした。その死を記憶しておく。

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透明な日の、ネットで見たような世界、綺麗な世界、日が暮れる。君以外、知らないものだけが輝いて見えるのに、手に入れようとするからいつか全てつまらなくなる、理不尽な緊張も消えて。

扱い方がわかるようになって、そういうこともあると認められるようになって、執着もせず、多くに浅く依存する。恥ずかしい、という感情が無くなれば、人は楽。深夜1時に、ブルボンのブラウニーを食べま/しょう。ニットについた髪の毛を取ってできた束の分、僕は削れながら生活している。

解放して、と誰に言っているのか、自由に、とはこの身体からか、吐きそうになりながら、温い風を迎えながら、今も形を保っている。

息をするだけで苦しい。どんな楽しみもこれを覆せない。誤魔化し続けた疲れが、永遠に消えることなく積もっていく。死より簡単な道は無い。

変わらないのは、怠惰の当然。また今日も皮膚が剥がれる。良い人間になるという約束。いつ聴いても毛布みたいな歌。電子タバコとタトゥー。海外の映画。愛をしたくなるけど一生気持ち悪い。一緒に地獄に落ちたくないから恋じゃない。

踊りを捨てて、映画を捨てて、爪を捨てて、目を背けていたものが見えてくる季節だ。泣くときの喉のつかえが取れないまま、受け容れたふりをしている。まるいのだ、無意識で生きていたかった。

美しいものが嘘だと思っても美しいものを創ること。気持ち悪いと思っていた色を着ること。花を飾ること。

口の中から、花と、氷と、道路と、夕焼けが溢れ出て、そのまま白い壁に頭を打って死んでしまった。背中の曲線だけを夢で見た。

君の愛してるは嘘じゃなく思えるから好き。僕から逃げないで、というのは世界一やわらかな拘束。僕が誰よりも落ちこぼれの教室の中で、全ての期待が無能感に変わること。僕が自滅することでしかあいつらを嘲笑えないこと。もう本当は、言葉もわからないのに、明確なものなどないのに。

どうだっけ、どうやってこの感情をやり過ごしてきたんだっけ。家具屋の家族たち。クイズ番組。bbs。嘘をつかないアヴェスター。炭酸を飲んで、口の中で海の音がする。

不安は、自由の、眩暈。焦燥が嵐のように襲う、春。

Delphinium

都市とは集合体。憧れが補正してほとんどは人の呼吸。詰まって。フィルムの無いフィルムカメラ。地下鉄を知らない駅で降りて、繰り返して、ひとつひとつ潰して、首都高高架下で息を止めて、モスクの塔が見えるアパートの部屋で。空が白い。

この傲慢がいつか身を滅ぼす。扱いに少しは慣れた気がしていた。目が覚めて、不甲斐なくて、人生唯一の嘘をつくこの時だけ。花を買おう、釣りをしよう。死ぬまで付き合わなければならない自分、青に、悦べるときがある、皮肉。

いつか、明るい方の道を選べるように、たのしい方の道を選べるようになること、それが幸せということ。冬に見上げるオリオンのかたち。あの詩人が、死者は星になると言った。君が死んだとき、一層輝く星空を眺めたい、それがわたしにとって愛するということ。過去を忘れないし許容する。諦めることが楽になる、楽になることを拒まず生きる、それが大人になるということ。

いつもより高いコーヒーを飲もうと思った。お湯をはかろうとして注いだ計量カップにヒビがはいった。甘ったるくて頭痛がした。よろこびもあいも無くしてしまった。身に纏うもの食べるもの住む場所を自分で紡いで、生の体系。涙を流したラジオの声にまだ遠くない青。

冬の日のあたたかさ、頭痛、みたいなやさしさ。綺麗な爪、アイスクリームスプーン、まるい歌。月の光は陽の光。燃ゆる星の光は何十年も前のものだから君が一年前に見た星とこの星も同じ光だ。青い時間、海の見える外国の家、一番じゃなくても君の見た綺麗な夕暮れが見たい。世界も変わっているらしいけど本当かどうかは知らない。背中が痒い。

友達、アイドル、宗教、それからどこに行くのか、あの人の歌の名前の花を見かけた新宿駅で。象徴は清明、高貴、寛大、激しい愛着。傲慢。有毒の植物。

君が自分を例えるなら、どんな花を選ぶんだろう。身体に彫りたい花を見つけた。君が軽蔑するような未来を生きるかもしれない。君の考えてることなんて一つもわからないよ。ただの線でも生きてる線だ、写真を買ったり、旅に出たりする。美しく踊ってみたい。

12/23の午後、濃い青のデルフィニウム、5輪の命を抱えて歩いた。青い空だった。青い冬だった。

美しい16と甘い17。いきて。

   

https://youtu.be/m1aQ6haEhdI

moonchild

青春を押し付ける人達の碧い目　穴の開いた防護服から空気が漏れて　モールスがきこえる　息を切らすことは口笛より容易く苦しいけど、詰まるよりは生きているような気がした　足掻いているのがいちばんうつくしく見えてかなしい

52Hzの気分　愛は魔法ではなく努力が必要であるということ　東京の灰色は関数であること　あの人の肩を揺さぶって泣いている景色がいつも現れて、いつもあの人は佇むだけ　どうしようもないのは知っていた気がする

追体験ほどに求めていたらしい　甘さ片手に夜を走ったけれど、後では皮と血が擦りこまれていた　夢はあっさりと閉じた　明けていくと思っていた　三月　僕の時間はつづく

さみしいのは可哀想？自分で壁に埋まっていく　自己暗示で終わる世界　悪魔も蟲も幻覚だった　ごめん　じゃあもう一つの世界のわたしは

それを昇華するための踊りをする　今も未来も期待をする場所ではなく　二輪は空回りする　中途半端だから最後の救いもない　それを孤独と言いたいのか　向こう側では桜が咲いて死んだあの子の匂いがした　生まれたとき　とは選ばれたとき　だった

蝶　砂漠で溺死　薔薇　何かが変わることを求めるための春なのに　全てが変わる予感など誰にも訪れずに　ただ夜を消費して時間が死んでいく　世紀末の匂い

何の意味もないものだとわかって　鏡を見れば化け物が映って　反面教師　鎮魂歌の重低音が響いて　可哀想だねと言って抱きしめて　でもわたし誰の気持ちもわからない

生きていかなくちゃいけないこと　目の前にしたとき　わたし一日に何回も殺されてるけど　痛いのは人の痛み　15で時が止まったねずみ　わたしだけの言葉で　あの人を守るため

正面を向いた教室に飛び込むこと　真っ黒で透明だった　手首を思い出す　本当に怖いのは　君が失うことなんだ　ひとり部屋で揺れの中　わたしは割れる

聞こえる気がする音だけ脅かして　でも君もひとりだし　1日何人が死んだ　性質以外　全然似ていないから　僕は君のともだち　きれいな恋だね　身体に彫る絵を決めあぐねている　幼稚な世界で　君だけが天使

わたしの中の神　あいするということ　しあわせと決めたからしあわせ　だし　孤独と書いてあるから孤独だ　大丈夫だよと言ってほしいだけの妖怪　あの人はわたしのことを嫌うだろう　ブルーライト　だって悲しい　病名が付かなかったら　本当のゴミになる　ピザ屋の三角関係

君は　何回死んだの？　あこがれの街は　四角の中であんなに小さくなった　ゆめをもつこと　ざらついた写真　愛か死が襲ってくる　ベッドの上で　ヘッセの小説

わたしは　唇から溢れ出す虫たちを　誰かに止めて欲しくて　ほんとうに　それだけだった

人が人を評して　君の価値がなくなること　それでもわたしの中の月だけは　君の中の神だけは　君の透明を知っている　ピアノが流れて途方もない時間と孤独が　緑と夜で形になって　あいしているということ　それだけで　全てどうにかなると　祈っていた　

Reincarnation

この悲しみは消えないと知って、僕は、神になる

テレビの中みたいな人は君の中にはいないんだよ。僕の陰の方の目が映す最悪が浮腫んで迷子。飛行機に乗りたい、窓側の席で。何かを捨てる様に爪を切る。世界は平和にならない。放棄をすること、正義と思えない人たちが行進するのを横目に寝ている。

2回目の受肉、完全だから偶像みたいになる、血の塊に化けた鮮やかな感情を差し出して、好きだということだけが動かす指先を、あの人が噛んだ。知らない文字の感覚だけが本物で、すべてから排除された孤独を肯定する。湯水のように生きていても誰かを気にせずにいられないから醜さを思っている。

親の愛情がいちばんうつくしいはずだった。他人の家の夕食の匂いがして頭が割れる。義務になれば嫌になっていく。わたしは、向ける先のない愛を神に捧げている。

美しく生きるはずだった、割れた鏡の向こう側には誰もいなくて、何も変わっていなかったから詩を買いたくなる。君は、清い、眩い。空も海も本当はもっと狭くて、渇きだけが広大で、それでも僕は陽にあこがれている。君がレンズみたいに膨張させた、何処の夜も同じだよ。

価値や過去を忘れていく満腹の中でまどろむ。わたしには正常すぎた神が、遠ざかっていく、それを拒んでいる。正しくなりたかった。気が付いたら包丁を握っていて、そこには舌が落ちていた。綺麗にしてあげるよ、数ミリで人生を変える、夢を見た、気の所為で終わる。あの子たち、分かり合えなくても好きだから大丈夫だよ。本当のダサさなんて君には計れない。浴室に響くランキングが気持ち悪くなくなった。わからない。

顔の周り体の輪郭に矢が刺さる感覚が毎晩、扉を開ける度に悪魔が部屋の中に入ってきて、エレベーターに乗る度に殺されている。だから、天国にいちばん近いのは屋上。想像みたいな空の色財布の中の砂、欲しい物なんて本当にあったのだろうか。7％のまま止まったバッテリー、積み重なった紙、大きな音しか出ないイヤホン、部屋の隅でうずくまる誰か。

君のこと考えてない、言葉も出ない、何を着たらいいのか、聴いたらいいのか、思えばいいのか、食べるのか、いつ始めればいいのか、何が正しいのか、が渦巻いて首が取れる。天気がいい日に部屋にいると責められている気がする。君が頑張っていることに本当の意味で気付いていなかった。そんなふうに取り出して見ては僕は他人。

地獄

に落ちた感覚を、君が味わっていないと信じたいこと、それが罪で僕は君の血肉になって全身をめぐる。愛したいものに押し潰される夜、視界が定まって君を映すことはもうないのだと知る。何もかもとっくに終わっていた。

神も、わたしも、世界も、すべて同じだったのだと気付きました。ブレ続ける焦点に弾を撃って、当たっていたのは残像か、或いは当たってすらいなかったのかもしれない。神は、わたしは、わたしが生んだ。意思を托す先はどこでもよかった、無数にある人形。死ぬことは変わるということ。

君に囚われることはなくなった、夜の支配が霞んだ、思い通りの世界がコンピューターの中で息をしている。もう、どの歌も包み込んでくれない。もうどんな君も抱きしめてくれない。抱きしめられない。

街に理想を持てたとき、君に愛を持てたとき、生きていることが大事だったとき、何もかもをひとつのコップに注げたとき。取り戻さないから終わらせよう。怖くないよ、何も。

Blindfold

嫌いになった人からの手紙を全部燃やしたい夜、君に出していない言葉だけを振り返ってみる、後悔はない。

何かが空いていて消費を続けても満ちない内臓、簡単な物で欲を騙す。普通を渇望していたあの時が一番満ち足りていた、ずっと知っていた、言葉の理由もあった。

人は他人のことなんて見ていないと分かったから、あの子たちは大声で騒いでいた。頭痛か腹痛か。車両一番端の座席で仕切りに寄り掛かる、酔いが覚めない。喧騒。信じていたかった強さが下のほうから崩れている、気付かないふりをする。

あの子の影を探すインディーズの気持ち悪さとなんて差はない。心からの待ち人がいるとき、人は死なずにいられるらしい。また後で飲みたくなるかもしれないからとカップに少し残したココア、そのまま忘れてシンクに流す。

わたしがいる世界のものではない景色が、プロジェクターで映し出される。シアターの狭い匂い、嫌いじゃなかった。スモークで冷えた体温、毎回すべてがいのちだった。海を越えた音の方が格好よく聴こえるとき、見つめているのは君の方向だった。取り戻せないことを嘆くこともなくなった。すこし嘘だけど。

誰も何も見ることは出来ずに、ただ。ソファーで目覚めて、言葉が途切れている。他の誰も星なんて持っていなかった。あなただけだと言いながら、水飛沫を眺める、あなたもあの童話を気に入っていたならいいのに。あの星、だった気がしたもの、燃え尽きてしまった、嘘の匂いを遺して。

3月の血を拭いたティッシュを捨てた。記憶は埃臭い。

橋の欄干に手向けられた花束は枯れていた。

左目に星を身篭る少年が目撃する、栄枯盛衰の時間を巻き戻す指先、の温度、誰も知らない。やさしさなんて。夢を見るのがすきだった。忘れていた逃避行を、連れ戻した犯人は誰。知らないふりをして目隠しをする。唯一変わったのは、冷たく黒い海辺に沈むこと。うつくしさへ向かうことを拒んでいた夜が明ける、朝を連れて君は。

パラレルワールドを行き来する魔物みたいにわたしは、夢を食べて、いつか火炙りにされてしまうのだろうか。眠るのは怖い。

あの人、大きな消しゴムみたいに目移りしたものをなくしてしまうこと、制御するべきとか思う隙も与えてくれない。それはわたしが生み出した。

美しさを求めた罪人、夜の国道の水溜まり、孤立したガソリンスタンド、急に切れた糸、すぐに移りゆく薄情、他と並べて、この人のせいで怠惰をゆるさないで。

小さかった頃、箱の中で燃えている旗を、どう思っただろう。お互い誤魔化すように味覚だけに語らせて、何も責められない。怒りが冷めて、哀れに見える声が、それでも君に刺さるかもしれないということ。部屋の中だけで息をしている。嘘、嘘、嘘と嘘、それから瞳を閉じた2枚の写真。盲目なのは同じだった。天も地獄も変わらない。

温かい喪失

温かい笑笑

僕らは何も見ることができない。君の真ん中で蝶が飛んだ。それをどう示せるというのだろう。あの花は、1日にはまだ瑞々しかった。あの歌は、ずっと聾さなかった。罪の意識が惚けていく、ガラパゴス化してゆく、円の外を見ようともしなかった。眠りに甘んじて、祈ることもせず、貪る時間で思い出す。

もう、花は消えていた。

morning dew

プレイリストの思いもよらない歌。車窓に流れていくたくさんの青色が夜よりもずっと良く見えるのは、悲しいから、珍しいから。あたらしいことをはじめるのは怖い？すべては繋がる。あの夏の夜、の再放送。

もっと丁寧に生きたいと思った時、横断歩道の灰色は揺れていて、歩き続けることについてふと考える、いつも赤信号が足を止めるのを待っているみたいだ。花嫁の幽霊は断絶の象徴。怖い話を不安になる音を見つけに行く、それは生への固執を奮い立たせるということ。数字の感情を読むことができなくて、まだ私は大人になれない。

外が自分の中に侵入してくることを拒んだあの頃、耳を塞ぐのはイヤホンだった。感覚で生きることを許して、高架下を好きになれない私がロックライブに行って、ドラムの試し撃ちだけが苦しかった。

美しい人が力強いこと、脆いあなたが綺麗なこと。夢の中の君はいつも泣いていて、それが本当であったら君は消えてしまう。

浴槽の中に小さな海があるの、両手で掬って、砂と絡みつく花たちを目を閉じて眺めるの。彼女が言った。午後四時、差し込む光はカップまで届かない。潜って、溶けて、記憶だけを頼りにするのはまだ早いという、文化的な人の呟き。悲しみに不誠実を糾弾する人を埋めてしまいたい、私を残して。

眠りが棘から目を逸らしていいよと言ってくれたのでわたしは夜に隠れて。目を覚ました時間に覚えたのは絶望と安心だった。みんな敵に見えた時、信じるものを探した、それは虚像で、確かな愛だった。わたしだけが知っていると思っていた言葉が日常の至る所で簡単に見つかった、かがやきを失うのは一瞬で、その原因はわかりきっている。

季節とともに繰り返す、落ちる感覚は、黒い点をミルクの中に零したみたいだ。泥の中から見つめる目、わたしが、龍みたいねと言った君の片目が、虞を覆す。自由の為に振り上げた拳が空に絵の具の線を描いて。底の生活をほとんどの人間がしていて、誰かが煌びやかに見せる時、また別の人が自分の床を拭いている。

色とりどりのアスファルトが背景に見えて、綺麗で、より理想は乖離する。ごみの散らかる部屋で、あの人たちの声だけが透き通って、ビニールがエアコンの風で揺れる速さで息をしている。着飾る、世界のボーダーで泡が弾けて、捨てられた排水溝の花束、自分の汚さを知っているわたしたちだけが被れる仮面。

虚しさに押し潰されて頭を抱える。間違いのない正しさのリアル、裏を知ること踏み込むことの怖さ。綺麗な襟足と垂れたピアス、マスク、湿気で互いに崩れた髪。黒ばかりであることは選択肢にあり、わたしの醜さのみが左右する。あの道、多面化してゆく渋谷、気付かないということ、3人のサイン。信じることの背中はエゴ。街で涙を流すことは禁忌みたいだ。

愛と言われて思いつくもの。もうちょっとましな姿のはずだった。嘘をつく鏡。芸能人ばかりで慣れてしまった。まばたきをした一瞬、瞼の向こう側に君が立っている、永遠に目を合わせられない二人がいる。

これが、月明かりではないということ。僕のシルエットが君をゆるがす可能性。すべてを捨ててすべてを手に入れる。それで、泣くのは誰。