うつつ

⧫

しあわせを撒き散らさないで。

好きなのかわからない作風の小説を読む浮遊感と停滞は今。思考をやめないで、理性の言うことにそろそろ耳を貸さなきゃいけない。エンドロールの寂しさと気持ち悪さ。死亡者数が多ければ多いほど現実味は薄れて、群がるカメラの数だけがリアル。青春映画を見る度にどうしようもなくなって。アナログを移すデジタルの液晶の余白部分。心うつつに花を見る。早送りで終わった録画番組。未解決事件。映画のフォントが好き。この街を出る方法。誰もそんなことを考えていないこの街の鈍さと鋭さ。楽しそうな顔をするあの場所が空洞だとしても、全て。ここでは人を運ぶ箱にすら関係を持たない。蝉は鳴かない。自分でドアを開ける、ルール、空気。知りたくもなかった。鈍行。嘘みたいに静かな冬。

このまま大人になっていくのが怖い。世界は変わらない。交代したい。後退。そのまま、そのまま。停滞の振りをした放棄だから、巻き戻しを願って。今日が終わる。明日が来る。意味のない文を綴り続けて、君が現実にいることを許せずに、嘘であれと念じれば念じるほど。大学生って思われてるかな。僕らは大人になっていくんだね。

温かい牛乳を飲んでこどもの記憶を思い出すこと、本当なんだと知った。牛のこども。無音より静かな高原、少年が踊りながら沈みゆく湿原。紫色の夜。無数の針になって刺さる冷たさ。嘘なのかも、しれないね。隔離患者施設。世界のどこか、誰かに繋がっている海、の見える街ならよかったのかもしれない。

私がかけられる一縷の望みだからって、ようやく今目をそらさずに、向き合ったから。夢と数学は切り捨てて、脱出のためにひたすら。私が出来るのはこれだけなんだ。って思わなきゃやっていけないよ。欲しい才能、私が、私が、耳を塞ぎたくて、凡庸、美しい人、殺伐とした街に。二次元の中の平面を歩く猫、最後の、最後のって、最後まで。

男女二人で物語が始まるステレオ、淡い死角、ひとりごとを吐くしかないひとり、君に届かない 朝はない、ひとり、死んだり生き返ったりを繰り返して、お話ほど上手くいかない行動力、やり直すと表示されても結局ロックは開かなかった。

叶わない。寂しい恋を抱きしめてあげたい。どれほど私が好きだと伝えたって、美しい彼女は変わらない。すれ違うから届きやしない、それが正しいということ、諦め。無力感は綺麗、望遠鏡の絵文字を思い出した。

君が死んだら私はどうやって生きていったらいいんだろう、でも生きてても死んでても同じことなのかもしれない、私の日常で君は死んでいる。息のかからない場所。好きなことを増やせば、何か失っても逃げられるから。常加筆修正の天体観測。君を、ちゃんと好きになりたかった。

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